契約書の印紙税がかからない方法

 印紙税という税金があります。

 印紙税は特定の文書(課税文書)に対し課される税金で、具体的には不動産売買契約書や銀行ローン契約書(金銭消費貸借契約書)、領収書など20種類の文書が課税対象とされています。

 印紙税は原則として課税文書に収入印紙を貼り付け、消印をすることにより納付します。皆さんも消印済みの収入印紙が貼られている領収書を受け取ったことがあるのではないでしょうか(とはいえ5万円未満は非課税なので、そこまで頻繁には見かけないとは思いますが)。

 この印紙税がかからないようにする方法があることをご存じでしょうか。
 本記事では、印紙税がかからないようにする方法をご紹介します。※ちなみに脱税的手法ではありません(さすがに私は税理士なのでそういった手法は紹介しません)。

印紙税の基本的理解

 印紙税がかかからないようにする具体的な方法を紹介する前に、まずは以下の印紙税の基本的知識について解説します。
 ・文書とは何か
 ・印紙税はいつ課税されるか(納税義務の成立)

 根本的なことですが、非常に大事なポイントです。

文書とはなにか

 印紙税は特定の文書(課税文書)に対して課される、というお話を初めにしました。ここでいう「文書」とはどのようなものをいうのでしょうか。

 印紙税が対象としている文書は、あくまで物理的な有形の(つまり紙の)文書をいいます。従って、たとえ「契約書」とか「領収書」とかいう名称であったとしても、電子データのまま作成されたものは、印紙税の対象となる文書の範疇に入りません

 初めに印紙税の納付方法について触れましたが、物理的な書面がなければ収入印紙を貼ることが出来ませんから、課税のしようがないということです。

印紙税はいつ課税されるか(納税義務の成立)

 印紙税の納税義務は課税文書の作成の時に成立します(国税通則法第15条第2項第十二号)。つまり、印紙税が課税されるかどうかは文書作成時に決まる、ということです。
 
 なお、文書の「作成」とは、単なる文書の調整行為をいうのではなく、用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使をすることをいう、とされています(印紙税法基本通達第44条第1項)。

 そして、契約書の「作成の時」は、契約当事者の意思の合致を証明した時をいいます(印紙税法基本通達第44条第2項(2))。
 具体的には、双方の契約当事者が契約内容に合意し、サイン(押印)をしたタイミングで納税義務が成立します